見聞記
腎移植の免疫(2)—アメリカでの経験(4)
藤田 公生
1
Kimio Fujita
1
1浜松医科大学泌尿器科学教室
pp.914-915
発行日 1981年9月20日
Published Date 1981/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203216
- 有料閲覧
- 文献概要
リンパ球にcytotoxicに働く抗体をもつ患者は移植成績がよくないから,クロスマッチを行なつて陽性なら移植は行なわないのが原則である。しかし,多数の症例が積み重ねられるうちに,lymphocytotoxicな抗体のなかには寛容に働く抗体も存在するのではないかという意見が出るようになつた。
特にB細胞に対する抗体にこの作用があり,しかも低温下で働く,もつと正確にいえば4℃でもつとも効率よくB細胞表面に付着した状態を維持し,その後にウサギの補体を加えるとB細胞を破壊することのできる抗体がこの作用をもつているらしいという線がでてきた。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.