見聞記
手術野の消毒について—アメリカでの経験(1)
藤田 公生
1
Kimio Fujita
1
1浜松医科大学泌尿器科学教室
pp.501-503
発行日 1981年5月20日
Published Date 1981/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203154
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はじめに
手術において,術者の手は10分もかけてブラシで徹底的に洗うのに,患者の術野はそれに匹敵するだけの消毒をしていないのが,私にはメスをもつようになつて以来の疑問だつた。患者自身のもつていた病原体によつて手術創が感染するのは自業自得というか仕方のないことなのだろうか。今回文部省在外研究員として1年間アメリカに学ぶ機会を得て,西海岸のUCLAからはじまり,コロラド大学,ミネソタ大学,クリーブランド病院,その他の病院を見て,移植を中心として外科,泌尿器科の手術をいろいろ経験し,彼らの手術野の消毒のやり方について考えさせられることが多かつた。
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