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特集(増刊号の)2 腎不全
Ⅳ.腎不全の対策
4.腎移植
アメリカ合衆国における腎移植の現況
Present Status of Kidney Transplantation in the U.S.A.
中村 宏
1
Hiroshi Nakamura
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Keio University
pp.233-239
発行日 1969年12月25日
Published Date 1969/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200837
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緒言
昭和43年9月現在,アメリカ合衆国で腎移植を行なつている病院は42ヵ所にのぼるが,そのうちの代表的な病院を8ヵ所(第1表)同年5〜9月の間に訪問して得られた見聞と,9月にニューヨーク市で開かれた第2回国際移植学会で発表された内容をまとめて,合衆国における腎移植の現況とした。ほかにごく一部ではあるがMount SinaiHospital, New York(MSH)とTulane UniversitySchool of Medicine(TUSM)で見聞したことも含まれている。紙面の関係で,ことに重要な点を除き,病院名を挙げずに,全体の傾向をまとめて述べることにする。なおTUSMを除き情報はすべて各病院の腎移植のチーフから直接得られたものである。各病院の特徴を簡単に述べると,UC-MCはALSを中心として質量ともに優れ,CCは屍体腎移植に特徴を有し,MCVは多くの立派な基礎的研究を残したほか,患者中心主義をとり,腎移植の成績では合衆国でもつとも優れている。UCLAはTerasaki(日系2世)のいる所で組織適合性検査の中心で他の病院と協同研究を行なつており,PBBHは腎移植のメッカだが,MGHと同様に臨床より研究に重きを置いている感じで,そのため腎移植の成績は有名なわりには良くない。
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