交見室
尿細胞診による尿路悪性腫瘍のスクリーニングとcomputer analysisについて/Myelodysplasiaによる先天性神経因性膀胱の治療経験
根本 良介
1
1筑波大学泌尿器科
pp.916
発行日 1981年9月20日
Published Date 1981/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203217
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尿細胞診の意義と将来についての本誌35巻第7号交見室田崎寛先生の御意見を拝読いたしました。
尿細胞診による尿路悪性腫瘍のmass screeningをテーマに,私たちもいくつかの試みを行なつています。まず,本誌34巻第12号で紹介しましたように,従来のPapanicolaou染色法より簡便でしかも迅速性のあるtoluidine blue染色(wet smear)を用いた尿細胞診システムを確立しました。この方法を用いますと,スクリーニングに要する労力やコストを従来の方法に比べて大幅に削減することができます。本法をfield workに用いる前に,2つの総合病院をモデルに泌尿器科以外の一般受診者を対象にスクリーニングを施行してみました。約4万人を検索した段階で再発を含めて6名の膀胱癌と1名の子宮癌患者を発見し,尿路悪性腫瘍のmass screening法としてほぼ満足すべき成績が得られています。
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