文献抄録
非精上皮腫性睾丸腫瘍の血清マーカー
pp.248
発行日 1981年3月20日
Published Date 1981/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203113
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著者らは1975年から1979年の間に50例の非精上皮腫性睾丸腫瘍を経験し,うち36例が悪性腫瘍であつたが,これら悪性腫瘍の臨床所見,治療経過と血清中のα-Fetoprotein(α-Fと略)とHCGの消長経過について述べている。
観察結果について述べると,stageとmarkerの関係ではstage A 13例は後腹膜リンパ節清掃前後において両マーカー共に正常値であつたが,このうち4例は後日遠隔転移を認めた。stage B 11例中リンパ節清掃前に両マーカー上昇は9例(82%)で,正常値であつた2例はstage B1で睾丸組織像はそれぞれ奇形腫と胎生癌であつた。stage Cの16例では全例に両マーカー値の上昇を認めた。前述のstage Aで遠隔転移を来した4例は,転移確認の時点では両マーカー値は上昇をしていた。stage Bの11例中リンパ節清掃マーカー上昇は9例で,清掃後正常値に下降した例は4例,その他の5例はマーカー値上昇は変わらず,一度正常値に下降した4例も転移再燃と共に上昇した。術後マーカー値が正常にならなかつた5例は転移巣が大きく完全な摘出が不能の症例と考えられた。
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