交見室
リニア電子スキャンによる経直腸前立腺縦断層法について
大内 達男
1
1順大泌尿器科
pp.198
発行日 1981年2月20日
Published Date 1981/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203108
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臨泌34巻11号掲載の「リニア電子スキャンによる経直腸前立腺縦断層法」と題する関根.岡先生らの論文を,超音波診断法を実施している泌尿器科医として,更に同じモデルの探触子を同時期に試用した経験者として興味深く拝読した。このreal time imaging methodでsagitalのtamogramを描出し得るまでには過去に長い歴史があつたことを考えねばならない。本邦においては1963年前立腺に対するA mode法を応用した報告をわれわれが最初に行なつたが,これより以前J.J. Wild,Schlegelらの報告もあり,泌尿器科領域への超音波の進出は試みられていた。Wildのradial scanningの試みは学会報告のものが参考にされ,われわれもほとんど同年代の1964年には試作に成功し,実地に患者に応用して1964年第4回日超医研究発表会以来PPI方式による診断法として報告して来た。而後順天堂大学,東北大学を主体とする検討が続けられ,今日では経直腸式のradial scanningとしてほとんど完成の域に達していることは周知の通りである。
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