今月の主題 ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)と子宮頸癌
トピックス
リニアアレイ法
吉川 智之
1
,
喜多 恒和
2
Tomoyuki YOSHIKAWA
1
,
Tsunekazu KITA
2
1自衛隊中央病院産婦人科
2帝京大学医学部産婦人科学講座
キーワード:
HPV
,
PCR
,
リニアアレイ
Keyword:
HPV
,
PCR
,
リニアアレイ
pp.861-865
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101273
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1.はじめに
ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)は現在までに100型以上同定され,40型以上が性器に感染し1),Munozらによると少なくとも15の型(16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82:高リスク型HPV)が子宮頸癌発生に関与するとされる2).これまでの基礎的研究,疫学的研究から,HPV感染が子宮頸癌発生に強く関与することには異論がない.ただし,一方でHPV感染はありふれたもので,不顕性感染のままのウイルスの消失,自然治癒が多いのも事実である.また,2006年6月にはHPV6,11,16,18の予防ワクチンが米国で認可され,本邦でも数年後には認可されることが期待されているが,本邦でのHPV16,18型陽性子宮頸癌の割合が欧米と比較して少なく約60%であること,ワクチン接種の対象が10代前半で癌検診の対象者と異なることから,少なくとも15~20年は子宮癌検診の担う役割は大きいと考えられている3).
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