文献抄録
前立腺癌の化学療法
pp.944
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203028
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前立腺癌は抗男性ホルモン治療によく反応するが,しかし30%の症例はホルモン抵抗性となり,多くはこの時点から48ヵ月以内に死亡する。
そこで種々の化学療法が試みられる。1975年頃よりDeys, scott, Je-gada, Merrinらの予報的な治療成績の論文があり,cyclophosphamideと5-fluorouracilの併用が有効といわれている。その後,Adriamycin,CCNU, DTIC, procarbacinなどによる治験も見られる。著者らは抗男性ホルモン,放射線治療などに抵抗する17例の末期前立腺癌に,1973年〜1976年の間Royal Marsdn病院にて試みた化学療法治療の臨床経過について報告している。症例の主な選択の要点は,以前にホルモン以外の化学療法をうけず,判定可能な原発の転移の病巣が明らかな症例とした。17名中16例は骨転移,1例は肺転移を認めた。この症例を3群に分け,1群11例はMethotrexate 100mg静注,2群4例はMethotrexate100mg+cyclophosphamide 500mg静注,3群2例はMeth.100mg+cyclo.500mg+5-fluorouracil 500mg静注とした。各群とも2週に1度注射を継続した。
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