Japanese
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綜説
前立腺癌に対する化学療法の現況と展望
Current standard and future prospect of chemotherapy for prostate cancer
野村 威雄
1
,
佐藤 文憲
1
,
三股 浩光
1
Takeo Nomura
1
,
Fuminori Satoh
1
,
Hiromitsu Mimata
1
1大分大学医学部腫瘍病態制御講座〔泌尿器科〕
1Department of Urology,Faculty of Medicine,Oita University
キーワード:
前立腺癌
,
化学療法
Keyword:
前立腺癌
,
化学療法
pp.1023-1030
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101613
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要旨 前立腺癌は,病期にかかわらず化学療法に抵抗性の疾患である。特に,根治性の期待できない進行性前立腺癌は内分泌療法によるアンドロゲン遮断療法が治療の中心となる。しかし,転移を有する症例では内分泌療法の奏効期間は数年であり,ホルモン抵抗性再燃癌に変化する。ホルモン抵抗性再燃癌の有効な治療法は確立しておらず,唯一ドセタキセルを柱とした化学療法が生命予後を改善する可能性が報告されている。今後,本邦においてもドセタキセルが保険適用承認される予定であり,日常診療において標準治療となることが予想されるので,すべての泌尿器科医がドセタキセルを中心とした治療法を熟知する必要がある。本稿ではドセタキセルを使用した化学療法,さらにはドセタキセル抵抗性前立腺癌への二次化学療法について概説する。また,ハイリスク前立腺癌症例の外科的治療においてもドセタキセルによるネオアジュバントあるいはアジュバント療法が治療効果を向上させる可能性があり,併せて概説する。
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