交見室
TURの映画撮影/前立腺癌の化学療法
伊藤 秦二
1
1伊藤泌尿器外科
pp.888-889
発行日 1978年9月20日
Published Date 1978/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202622
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本誌32巻6号に掲載された三木誠・町田豊平氏の「TURの映画撮影に関する経験」を興味深く拝読した。
TURは今では泌尿器科手術の中で極めて重要な位置を占めるようになつたが,TURの普及と進歩に際しての最大の隘路は開放手術と異り不特定多数の者が同時にこの手術を見学できないことである。teachingscopeはこの問題をある程度解決することができたが,見学者の数に制限があること,teaching scopeが術者に多少とも拘束感を与え,これが手術成績にも微妙な影響を与えうる,などの問題点がある。こうしたことからTURの映画化はTURにたずさわる者が何時も心に懸け,待望するところであつた。私も先年友伸内視鏡製作所製のteaching scopeおよび米国のアポロ計画でRCA社が開発した高感度のSIT(Sili-cone Intensifier Target)撮像管をマウントした松下電器のAK−936C型カラーカメラを用いてTURの術前,術中,術後の内視鏡所見をテレビ撮影し,そのテレビ映像を16mmフィルムに映画撮影したものを1973年の第62回日本泌尿器科学会総会に供覧した。しかし,その際teaching scopeの装着によるかなりの拘束感はやはり避けられないものであつたし,この撮影を多数例に続けて行なうことは手術者にとつては大きい負担と考えられた。また主役をなす撮像管は米国からの借り物であつた。
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