Japanese
English
手術手技
術中合併症の緊急処置—腎手術と消化管との関連について
Emergency Procedure for Injuries during Operation: On the Relationship of Renal Surgery to Alimentary Tract
舟生 富寿
1
,
遠藤 衛
1
,
浜田 和一郎
1
,
人見 浩
1
,
鈴木 唯司
1
Tomihisa Funyu
1
1弘前大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Hirosaki University School of Medicine
pp.335-344
発行日 1979年4月20日
Published Date 1979/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202723
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はじめに
周知のごとく腎摘出手術の要点は,腎茎部血管の処理,大静脈壁,腸管壁との剥離にある。症例によつては強く癒着し剥離が極めて困難の場合もあるが,術者は細心の注意を払い,更に剥離方法に工夫を加え,手術を遂行しており,時には摘出不能と判断し,腎摘出を断念する場合も認められる。したがつて腸管を損傷するようなことは極めて稀であろうし,事実,文献を渉猟してもなかなか見当らない。しかし,われわれ泌尿器科医は数多くの腎摘出手術を行なつており,そのなかに手術困難症例も混在している筈であるから,少数は経験しておられるだろうし,今後経験される可能性も考えられる。
腎腸瘻は臨床的には術前既に存在する自発性,手術中発見される場合,術後発症する場合に大別できるので,著者らはこれらについてまず文献的に考察し,ついで解剖的関係,手術に関連する問題点,自験症例の順に記述してみたい。
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