文献抄録
陰茎癌のリンパ節治療に対する考え方について
pp.344
発行日 1979年4月20日
Published Date 1979/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202724
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陰茎癌患者のリンパ節処置に関しては諸家の報告は多いが,いずれの方法が最善かは意見の統一をみない現状である.著者はこの論文において,陰茎癌の場合,癌細胞の最初にひつかかる門番的リンパ節(Sentinel Lymph Node,SLNと略)について報告し,陰茎癌ではこのSLNをまず生検することが必要であることを強調すると共にSLNの生検手技について述べている。
著者らは1965年より1973年の間に80例の陰茎癌,10例の陰茎疾患,10例の正常成人について,陰茎脊面と足背よりリンパ管撮影を施行してSLNについて検討を行なつた。陰茎脊面からのリンパ管撮影は造影剤を注入すると間もなくSLNが描出されるが,このリンパ節は前後方向の単純撮影では大髄骨頭と恥骨上昇枝の間に見られ,解剖学的にはsuperficial epigastric veinとgreat sa-phenous veinの合流部のやや中央側寄りに位置している。このSLNを生検する方法は,右側の場合では右恥骨結節の2横指(4.5cm)右側で,その位置より更に2横指下方の点を求め,この位置を中心に5cmの皮切を鼠径靱帯に平行に加える。この皮切部より示指を上方皮下に入れるとSLNを容易に触知する。
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