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手術手技
膀胱腟瘻の手術—恥骨上膀胱腟瘻閉鎖術(経膀胱式膀胱腟瘻閉鎖術)
Suprapubic Closure of Vesicovaginal Fistula
園田 孝夫
1
,
水谷 修太郎
1
,
佐川 史郎
1
,
板谷 宏彬
1
,
長船 匡男
1
,
松田 稔
1
Takao Sonoda
1
1大阪大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Osaka University Hospital
pp.917-921
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202625
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婦人科的手術や放射線療法,あるいは産科的操作や手術によつて発生する膀胱腟瘻の発生は比較的稀であるが,その外科的修復法は泌尿器科医にとつて甚だ重要である。しかし,膀胱や子宮あるいは周辺臓器に発生した悪性腫瘍の浸潤や部分的壊死によつて生ずる膀胱腟瘻では,原疾患の根治的療法と膀胱腟瘻に対する治療とは自ずからその重要性が異なる性質のものである。
1957年から1976年までの20年間に大阪大学泌尿器科教室において取り扱つた膀胱腟瘻患者数は46例である。このうち28例が1957年から1966年の最初の10年間に,また残りの18例が1976年までの後半の10年間に経験された症例である。すなわち最近の10年間についてみると泌尿器科入院患者3,043例中18例,すなわち膀胱腟瘻は0.53%にすぎず,産婦人科手術手技の向上あるいは放射線照射療法の技術的改善が膀胱腟瘻発生頻度の低下に貢献しているものと思われる1〜3)。原田(1966)1)は28例の膀胱腟瘻のうち観血的療法を施行した24例中9例(37.5%)にしか完治せしめ得なかつたと報告しているが,これらの症例のほとんどが過去平均2回の修復手術をうけたものであるために正確な完治率とはなつていないと思われる。
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