Urological Letter
I.Urinoma(尿嚢腫),他
pp.912,939
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202624
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大部分のurinomaの内容は化学的に血清やリンパ液とは区別できる。しかし,そうでない場合がある。62歳の男で,エマージエンシーで大動脈の手術をした後6カ月たつてから,右側腹部に6,000mlの液が溜つてきて採取した。臨床的には確かにurinomaだと思つたが, X線学的にも化学的にも確認できなかつた。インジゴカルミンを注射したあと液を吸引してしらべたが,液は清澄で化学的には血清と区別できなかつた。蛋白質の含量は1ml中1gでリンパ液に匹敵するが,smearでリンパ球は見当らなかつた。urinomaは尿管の中間部の小さい裂け目に由来していた。尿の貯溜は極めて緩慢であり,urinomaの偽膜の吸収面は広いので,こういう条件下で尿が透析されるので,血清と同じになつたものと考えられる.
訳者(南武)註:urinomaには別名が多い.pararenalpseudocyst,pseudohydronephrosis,hydrocele renalis,perirenal cyst,perinephric cyst等々である。
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