文献抄録
EstramustineとPrednimustine併用による末期前立腺癌の治療
pp.483
発行日 1977年6月20日
Published Date 1977/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202366
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抗男性ホルモンに抵抗するstage C,Dの進行前立腺癌の予後は極めて悪く平均生存1年と言われる。著者はEstramustine Phosphate(Estracyt)単独で末期前立腺癌を治療し,19%に他覚的所見,36%に自覚的症状の改善したことを報告したが,これらの症例で造血機能の障害がみられなかつたので,myelotoxicな化学療法剤のPre-dnimustine(chrorambucilのエステルとprednisone合剤)を併用してその成績を報告している。患者はstageDの前立腺癌症例21名で,全例女性ホルモン治療をうけ,12例は除睾術,11例は放射線治療,6例は化学療法をうけている。投与薬剤量はestramustine 600mg/M2/day,prednimustine 15mg/M2/dayで,消化系副作用の時は前者を30%減量,造血機能障害がみられた時は後者を30%減少した。
著効症例についてみると,1例は1965年にstage Cの分化型前立腺癌として女性ホルモン,放射線治療をうけ軽快したが,1974年再発,排尿障害が出現しcyclophospha-mideとdoxorubicin hydrochlorideの併用治療を行なつたが病勢は更に進行,骨のscanで転移巣著明で激しい疼痛に悩まされ,肺にも転移が確認された。
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