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前立腺癌の手術に併用するHonvan療法について(予報)
ENDOCRINE COTROL THERAPY WITH "HONVAN" PLUS PROSTATECTOMY OF PROSTATIC CARCINOMA (PRELIMINARY REPORT)
楠 隆光
1
,
野村 貞一
1
Takamitsu Kusunoki
1
,
Sadakazu Nomura
1
1大阪大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, Osaka University Medical School
pp.70-74
発行日 1958年1月1日
Published Date 1958/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202168
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前立腺癌に対する抗男性ホルモン療法として,除睾術及び女性ホルモン療法が有効なことは今日異論のないところであるが,之は何処迄も保存的療法であつて,決して根治療法ではない。又最近では,コルチゾン療法及び副腎全剔術,更に下垂体剔除術と行われる様になつているが,之等の方法も今日では根治手術及び一般ホルモン療法後の再発に対する最後の手段として行われているに過ぎない。従つて今日でもLattimer,Dean,Veenemaand Rafferty(1953)或はEdwards(1955)などが述べている如く,ホルモン療法は根治手術の補助手段であつて,出来れば根治手術を施行すべきであると云う根本方針に変りはない。
Scott(1957)の報告に依れば,之の事実は一層明瞭になる(第1表)。即ち対照として無加療のNesbit and Plumbの症例から,順次Nesbit and Baumの女性ホルモン療法例,除睾術例,及びこの両者の併用例,最後にScottのホルモン療法の併用のもとに会陰式前立腺全剔術を施行した症例と,術後の生存率を比較すると,その成績は前のものよりも次第に後のものになる程よくなつている。Scottの症例に於いては,術後5カ年で患者68.9%の多数が生存しており,之をNesbit and Plumbの無治療例の10%に比較すると非常に優れていることが分る。
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