Japanese
English
特集 尿路性器癌の化学療法
膀胱癌の化学療法
Chemotherapy for the Urinary Bladder Cancer
松本 恵一
1
,
西浦 弘
1
,
垣添 忠生
1
Keiichi Matsumoto
1
,
Hiroshi Nishiura
1
,
Tadao Kakizoe
1
1国立がんセンター病院泌尿器科
1Urological Division, National Cancer Center Hospital
pp.135-145
発行日 1977年2月20日
Published Date 1977/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202302
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はじめに
膀胱癌の化学療法は,いわゆる早期癌といえる症例に対するものと進行癌に対するものとに大別できると思う。われわれが化学療法を行なう場合,その治療で根治を目的とするものから,患者の苦痛を和らげ多少なりとも延命効果を期待する場合までいろいろあるわけである。膀胱癌においてはいわゆる早期癌と考えられる浸潤度および悪性度の低い症例を取扱うことが比較的多い。それ故,そのような症例における化学療法の意義は極めて大きい。一方,進行癌にあつては外科的療法,放射線療法での治療の限界を超えている場合が多く,特に末期癌になれば化学療法にしか治療の望みは託せないのが現状である。
いわゆる早期癌の化学療法の必要性は大きいと思われる。その大きな理由はいわゆる乳頭状癌といわれる膀胱癌は多中心性発育をみるものがすべてであるといつてよい程である故,膀胱保存的療法の中で化学療法の占める役割の大きくかつ重要なことは誰しも異論のないものと考える。
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