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はじめに
膀胱腫瘍の治療法は治療担当者の"癌"に対する姿勢,患者の社会生活への配慮などが交錯し,きわめて多彩であり,それぞれの治療法はその理論的根拠と治療成績にそれなりの説得力をもつている。
治療担当者がいずれの考え方をとるにせよ,膀胱癌の浸潤度を的確に診断しておくことは,治療計画立案の基礎資料として重要であることはいうまでもない。Lang1,2)の血管撮影を含めた各方面からの研究は膀胱腫瘍浸潤度診断に大きな成果をあげた。著者らの一人津川は以前より浸潤度診断につき検討していたが,骨盤動脈撮影の経験3)に次いで,金沢大学において昭和43年までに黒田恭一教授の指導の下に骨盤動脈撮影を含めた全般的な検討結果を報告し,浸潤度診断の進め方について発表した4)。すなわち91例の浸潤度確定の症例に対し,83%の正診率を得,臨床的立場からみて最も迅速かつ確実に,しかも患者に必要以上の負担を与えることなく目的を達するためには,各検査法(後述)をその特微を十分に把握しつつ,腫瘍存在部位などの条件を考慮に入れて,適当な検査法を順序よく組み合わせることが肝要であることを強調し,腫瘍発生部位別の検査順位表(第1図)を考案し,以後の症例はすべてこの順位表によることとした。
In the treatment of bladder carcinoma, it is very important to diagnose the depth of the tumor in-filtration in the bladder wall (stage).
In 1968, on the basis of the clinico-pathological study of 91 cases, the author made a ranking table for the step of determination of stage. The table consists of intravenous pyelograply, contrast cystogra-phy, cystopolygraphy, parietography (tomography in combination with pneumocystography and perivesi-cal gas insufflation) and pelvic arteriography.
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