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特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)
Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法
前立腺癌のホルモン療法—特にその作用機序について
Hormone Theraphy for Prostatic Carcinoma
志田 圭三
1
,
島崎 淳
1
,
伊藤 善一
1
,
山中 英寿
1
Keizo Sida
1
,
Jun Shimazaki
1
,
Yoshikazu Ito
1
,
Hidetoshi Yamanaka
1
1群馬大学医学部泌尿器科学教室
1Urological Department, School of Medicine, Gunma University
pp.237-242
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201537
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はじめに
Huggins博士により提唱された前立腺癌抗アンドロゲン療法は,癌に対する薬物療法開発の先鞭をつけた輝かしい業績をもつものであるが,最近に至り,長年月にわたる予後調査の結果,批判の声もうまれてきている。その最たるものは1970年Cancer誌上に発表されたVeterans Administrationグループの成果である。非進行症例ではフラセボー投与は少なくとも延命効果においてdiethylstil-bestrol投与にまさつており,進行症例においてのみdiethylstilbestrolが有意の延命効果をもたらしているにすぎない。長期間にわたるエストロゲン投与が脂質代謝をみだし,心血管系障碍をきたす事が上記現象の一因とも考えられている。本稿では,抗アンドロゲン療法の根拠とされている前立腺癌アンドロゲン依存性の問題,抗アンドロゲン作用のメカニズム等について,記載をすすめる事にしたい。
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