増刊号特集 前立腺疾患'96
トピックス
前立腺癌のホルモン依存性
山中 英寿
1
,
深堀 能立
1
Hidetoshi Yamanaka
1
1群馬大学医学部泌尿器科
キーワード:
前立腺癌
,
ホルモン依存性
Keyword:
前立腺癌
,
ホルモン依存性
pp.248-250
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901775
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アンドロゲン依存性臓器である前立腺より発生したほとんどの前立腺癌細胞は,その増殖および機能維持はアンドロゲンに依存している。それゆえに,前立腺癌内分泌療法は体内からのアンドロゲン除去を目的とした治療法が主流となっている。現在,アンドロゲン除去療法として除睾術,エストロゲン療法,LH-RH療法がある。また最近は,アンドロゲンレセプター阻害剤も内分泌療法の一員に加えられた。これら内分泌療法を前立腺癌患者に行うと,約95%は治療に反応するが,残りは治療に反応しない。また,初回治療には反応を示したほとんどの症例が療法を続けていると反応しなくなり,再発,再燃する。その意味からも,前立腺癌のアンドロゲン反応機構や前立腺癌の再燃機構の解明が最近の研究対象になり,積極的に研究が行われている。ここでは前立腺におけるアンドロゲン作用のメディエータとして注目されているKGF(Keratinocyte growth factor, FGF7)について紹介するとともに,前立腺癌増殖と食事に含まれるエストロゲン活性物質についても最近注目されているので,その研究も紹介する。
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