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異所開口尿管症はもはや稀な疾患でなく,これまでにも幾多の報告がある。大部分の症例は重複尿管と合併しており,診断治療の面でほぼ確立されたといつても良いであろう1,2,18,19)。重複尿管に伴わない異所開口尿管症は比較的稀である。これが一側性の場合,つまり偏側性単一性異所開口尿管の場合,診断はやや難しくなるが,治療法自体さほど問題はない。両側性単一性異所開口尿管となるときわめて稀であり,これまで欧米文献にも僅か33例の報告があるのみで1,3,4),本邦では学会報告例の中にThom Ⅱ型の異所開口尿管として僅か2例,奥山,沼里の累計の中に1例の記載があるが,いずれも詳細は不明であり,診断上疑問を残している16〜19)。両側性の場合,尿路に及ぼす影響も複雑となり,したがつて,治療もきわめて難しいものとなる。以下,最近当教室で経験した両側単一性異所開口尿管症の1例を報告し,その問題点について考察を加えてみた。
A case of bilateral single ectopic ureter in a 9 year old girl was reported. Discussions were made on embryology of ureteral ectopia, and also clinical features, pathophysiology of urinary incontinence, treatment and prognosis of this rare developmental anomaly. This is the first case reported in the Japanese literature described in full detail.
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