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はじめに
最近,臨床の各分野において境界領域にある疾患が脚光をあび,泌尿器科領域においても解剖学的関係から,特に婦人科領域との間にある疾患が取り上げられ検討されている。すなわち,婦人科領域の手術や疾患に起因して泌尿器科的器質障害や機能異常の生ずることは古くから成書に記載されていたが,子宮癌の早期発見により広汎性子宮全摘除術が広く行なわれるようになり,これらの疾患,いわゆる婦人科的泌尿器疾患に遭遇する機会も多くなつてきた。このために1958年の第46回日本泌尿器科学会総会のパネルディスカッションでは"婦人科的泌尿器科学"として,また1972年の日本泌尿器科学会総会では同じくパネルディスカッションとして"婦人科的泌尿器疾患"を取り上げ,大いに検討されている。
われわれは今回これらの疾患のうち尿管通過障害例を取り上げ検討したが,本稿ではそのうちの産婦人科的手術後にみられた尿管閉塞(狭窄)例について報告する。
A total of 17 cases, including 13 cases of cicatrical adhesion of the ureter and 4 cases of ureteral ligation as ureteral obstruction following gynecological operations which are border line case between urology and gynecology, were studied.
Many cases showed almost nonfunctioning kidney of the affected side from delayed discovery and the necessity of routine IVP and other various renal function tests after various surgery in the field of gynecology was stressed.
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