Japanese
English
特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患
Ⅵ.最新の研究
AGS(Adrenogenital Syndrome)に関する最近の知見
Recent Progress in Research on AGS (Adrenogenital Syndrome)
大沢 仲昭
1
Nakaaki Ohsawa
1
1東京大学医学部第三内科
1The Third Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.215-220
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201086
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
副腎性器症候群(adrenogenital syndrome, AGS)とは副腎皮質からのステロイドホルモンの過剰ないし異常分泌により性の異常が惹起される場合を称するが,一般には男性ホルモンの過剰分泌の症例が多いため女子の男性化あるいは男子の性早熟という病像をとることが多いのは衆知のとおりである。この際,副腎の病変としては副腎皮質腫瘍(ことに腺腫)あるいは先天性副腎皮質過形成があり,特に後者の方が多くみられる。多くの症例がなんらかの男性化を示すが,性および年齢に関係のあるホルモンの異常であるためにその臨床像は患者の性および発病年齢により非常に異なるのは当然である(第1表)。
ところで副腎腫瘍の場合には,腫瘍そのものによる副腎性男性ホルモン,まれに女性ホルモンの過剰分泌であるために,他の種類の副腎皮質ホルモンすなわちglucocorticoidおよびmineralocorti-coidの異常はほとんどみられず,したがつてその発生病理も簡単に理解できるが,先天性副腎過形成の場合には,各種の副腎皮質ステロイドホルモン合成系の酵素の先天的欠乏の結果発症することが明らかにされており,その病態生理も複雑である。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.