Japanese
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特集 精神薄弱
脂質症—最近の知見について
Recent findings in Lipidoses and allied diseases
横井 晋
1
Susumu Yokoi
1
1群馬大学医学部神経精神科
1Department of Psychiatry, School of Medicine Gunma University
pp.159-176
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904492
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I.はじめに
精神薄弱の病因のうちで脂質症のしめる率は決して高いものではない。しかしながら,従来臨床的検索と形態学的研究にのみ終つていたこの疾患群に,脂質化学的分析,電子顕微鏡,細胞培養,ラヂオアイソトープ,酵素化学など新しい技術が導入され,その疾患の原因が分子のレベルまで堀下げられ,あるいは特定酵素の欠損というような高い水準での原因が,つぎつぎに究明されてきている。
周知のように中枢神経系とくに脳の構成成分として脂質の占める比重はきわめて大きく,したがつて脂質の代謝障害が,精神機能とくに知能に及ぼす影響は重大なものである。わたくしはここで脂質症のうちで精神薄弱の基礎となりうる各種疾患をとりあげ,これら疾患の臨床的事項,研究事項のうちで最近注目され,研究が進められている事がらについて記載するように努めた。それぞれの詳しい事項については,それぞれの文献を直接参照していただきたい。
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