小さな工夫・9
血管カニューラ誘導子
竹内 弘幸
1
,
山内 昭正
1
1東京医科歯科大学泌尿器科学教室
pp.195
発行日 1970年2月20日
Published Date 1970/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200878
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急性および慢性の腎不全に対する人工腎臓による血液透析は,年毎に増加してきている。この血液透析には,患者に動静脈シャントを設置する必要があるが,かなり細い血管内へシャント用のカニューラを挿入しなければならないことがあり,その設置に苦労し時間を尽すことがしばしばある。このような場合に血管の中へカニューラを誘導する器具があれば便利であり,外国文献にも幾種類か報告されている。われわれも独自に考案した装置を数年来使用して重宝しているのでこの欄に紹介することにした。
装置は先端が直角に曲つていて口嘴状に尖つた既存の鑷子に工夫を加えたもので第1,2図に示した。鑷子の柄は中程で交叉し,力を加えない時はその先は閉じており,力を加えると開くようになつている。また,その先端は鋭利で血管壁を突き破れるようになつており,内面は円錐状に溝が切つてある。この部分が工夫された要所である。
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