Japanese
English
原著
Grishman法における水平面導子挙上にともなうベクトル環の変動
Changes of Spatial Vector Loops accompanied with Elevation of Electrode Placement on the Horizontal Plane in the Grishman's Lead System.
佐藤 利平
1
,
増山 善明
1
,
北村 和夫
2,3
1東京大学医学部田坂内科
2順天堂医大
3賛育会病院内科
pp.419-425
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200759
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序言
Grishman法は比較的ひろく採用されているベクトル心電図誘導法1)であり,その水平面導子を挙上したGrishman変法も一部にとり上げられている2)。この変法は原法に比し,より心臓の近接部位からの誘導法であるため,ベクトル心電図の成り立ちからすると,各loopの歪が原法より大きくなるのは当然と思われる。本研究の目的は原法と変法を単独に採用した場合の,両者の臨床ベクトル心電図としての優劣を比較するのではなくて,水平面導子の挙上にともなうベクトルloopの空間的歪が,原法から変法に移る場合に,どのような過程を経て変化するかを,各種の症例について観察し,その変化の様式を何等かの意味で臨床上の診断に役立たせようということにあった。現在までしばしば論じられている誘導法の優劣について検討したのではないことを再び強調しておきたいと思う。
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