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特集(増刊号の)1 尿路の外傷と損傷
Ⅴ尿道の外傷
尿道外傷の救急形成手術法とその適応
Emergency Plastic Operation of Traumatic Injury of the Urethra Including Fracture of Pelvis: Its Technic and Indications
井上 武夫
1
Takeo Inoue
1
1横浜市立市民病院泌尿器科
1Department of Urology, Yokohama Municipal Hospital
pp.195-200
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200585
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はじめに
天井知らずの自動車事故の激増により,泌尿器科領域の外傷も次第に増加してきた。交通事故による尿道外傷は,骨盤骨折を伴うもので,多くは前立腺部の完全尿道破裂で非常に手こずるものである。さぞかし,治療や後遺症に困惑している医師も多いと思う。大学病院,大病院では,新鮮外傷は増加しない。時に尿道狭窄,尿瘻患者が紹介されて来院するくらいである。すなわち,第一線病院で,尿道外傷の多くは処置されていることになる。その病院の処置によつて,患者の予後が左右され,極端にいえば,運命が決定される。尿道狭窄のために,青年が,永久的膀胱瘻を設置されているのを,幾度か見た。一度処置を誤ると,その後遺症たる尿道狭窄,尿瘻等の治療は誠に困難で,患者の社会的生命を奪うことすら多々ある,第一線医師の処置が後々まで,尾をひくのである。かかる外傷を扱う医師は,泌尿器科専門技術を充分修得した者に限られる筈であるが,実情はそうでなく,専門的技術に乏しい医師によつて,処置されていることが多い。
尿道外傷の患者が運び込まれたらどうするか。
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