故原田彰教授追悼
原田彰教授の御急逝を悼む
川井 博
1
1日本医科大学
pp.979
発行日 1967年11月20日
Published Date 1967/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200296
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故原田教授は此度Munchenに開催された第14回国際泌尿器科学会に出席され,帰路米国を廻つて9月2日非常に御元気にて帰国され,羽田空港にお迎えした医局の方々と夕食を共にしながらお土産話や今後の抱負研究方針等を語られ,医局の人々は気合を入れられた様な恰好でしたが,兎も角先生の何時もに変らぬ御様子に喜んだと聞いておりました。然しその後間もなく先生には健康がすぐれないため学校をしばらく休まれるとのことを宮崎講師から伺い,平素は非常に御健康で休まれることの殆んどない先生にしては珍らしいことで,私も気にかかり逗子の御自宅に御見舞に伺いました。先生は手足等にGicht様疼痛を訴えて臥床しておられましたが,その他には特に健康上に変つた処はないとのお話で,平素の先生と変る処なく御元気に欧米の見聞・印象,次回の国際学会日本開催について非常に楽しく語つて居られました。所が9月27日午後私は丁度手術中でしたが,横浜の医局の方から電話にて原田教授の急逝をきき,只々驚き耳を疑うと共に言葉がありませんでした。
先生は第2次大戦の終戦時青島に居られ,帰国後間もなく横浜の教授として赴任なされ,泌尿器科教室を開設されると共に今日の立派な同教室の基礎を築いて来られました。
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