追悼
田村一先生の御急逝を悼む
川井 博
1
1日本医大泌尿器科学教室
pp.176
発行日 1977年2月20日
Published Date 1977/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202310
- 有料閲覧
- 文献概要
つい2週間程前に信濃町駅頭で温顔に微笑を浮べられた平素と変わらない御元気な先生にお目にかかつたばかりでしたが,急逝されたとの連絡をうけた時には,ただ信じられない気持で一杯でした。かつて故高橋明先生が「日本泌尿器科学会50年のあゆみ」を黎明期,発育期,育成期の3期に画して述べておられますが,田村先生は慶応義塾大学医学部の第1回卒業生であり,文字通りわが泌尿器科学会の黎明の頃より今日の隆盛期に至る期間を身を以て経験して来られた学会の最長老のお一人でありました.この50年余の間には慶応大学医学部泌尿器科教室の第二代教授として多数の子弟の教育に尽力されると共に学会の発展に努力され,数々の学問的業績を残されました。この方面については教室の方の追悼の言葉があると思いますので,私は「臨床泌尿器科」の編集同人の一人として先生を御追悼申し上げる次第です。
私が「臨床皮膚泌尿器科」の編集に関係して,先生と親しくお話をする機会を得るようになつたのは,昭和36年8月(本誌15巻8号)からでした。当時の雑誌編集は先生と高橋吉定・籏野倫両先生の3名でありましたが,泌尿器科関係で私が加わつた次第です。そして昭和42年より「臨床泌尿器科」となつてからは南武先生が加わつて,3名で編集に当り,先生が顧問となられた昭和50年12月まで直接本誌の編集に御尽力下された次第です。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.