追悼
遠藤正臣教授の急逝を悼む
山口 成良
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1金沢大学医学部神経精神医学教室
pp.598-599
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203949
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昭和60年3月5日夜,遠藤正臣先生が急逝された。その計報に接した時,われとわが耳を疑ったものである。享年53歳,まだ春秋に富むお年であられた。残念でならない。
遠藤先生は昭和30年3月金沢大学医学部を卒業し,インターン修了後,32年4月金沢大学大学院医学研究科に入学され,当時秋元波留夫先生が主宰しておられた神経精神医学教室に入局。根岸晃六先生(現金沢大学教授),島居方策先生(現金沢医科大学教授)とともに,微小電極法によるネコの大脳皮質体知覚領の研究1)に着手され,36年3月大学院を修了,医学博士号を授与された。その後,金沢大学助手として教育・研究・診療にたずさわれた。39年10月日伊交換留学生試験に合格され,イタリアのパルマ大学のArduini教授のもとへ留学され,ネコの視覚領の細胞放電様態を研究された。帰国後は神経科精神科医局長,講師を経て,一時石川県立高松病院副院長として公立精神病院の診療の実際にも触れられた。46年4月新設の金沢大学医学部附属神経情報研究施設の助教授となり,47年8月から1年間西ドイツのアレキサンダ・フォン・フンボルト財団奨学研究員としてウルム大学神経科Kornhuber教授のもとへ留学され,発声時の準備電位の研究をして来られた。48年10月から神経精神医学講座の助教授となり,53年4月から新設の富山医科薬科大学医学部神経精神医学教室の主任教授に就任され,新しい教室作りに着手され,学生の教育,診療はもとより,教室員の育成にも力を尽された。
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