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Ⅰ.はじめに
人工腎が使用されはじめた初期の対象は,主として急性腎不全などであつたが,その後種々の装置の改良に伴い,その効果も著しく改善され,慢性腎不全,肝不全などの疾患にも応用されて,長期間の延命効果が認められるようになつている。
一方腹膜潅流はGanter1)らにより臨床的に応用されてから約40年間顧みられなかつたものであるが,間歇的腹膜灌流法2)が開発されてから装置および操作が,簡単であるため,慢性腎不全,肺水腫,心不全などと主として内科方面で盛んとなり,最近市販の潅流液もみられ,その普及は著しい。しかし,これらの方法はいずれも腎機能を部分的に代行,または補助する手段にすぎず,腎移植などの成功が切に望まれるところである。こうした根治的治療への期待とともに,全身状態の改善を主目的として,人工腎および腹膜潅流法は,ますます普及していくものと考えられる。このような観点から,私どもは,当教室で最近約2年間に経験した人工腎施行例と腹膜潅流例について,若干の検討を加えたいと思う。
Artificial dialysis, using artificial kidney, and peritoneal dialysis to improve the general condition in chronic renal insufficiency and to expect a more successful renal transplantation will be more popular in the future.
The effect and indications for artificial kidney and peritoneal dialysis is compared and discussed from the cases observed in our department during the past two years.
Artificial kidney shows more effect in a unit time without complication.
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