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思いつくまま
宮崎 重
1
Shigeru MIYAZAKI
1
1大阪医科大学泌尿器科
pp.197
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200116
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何でも人のすることは一応やつてみたい性分で,半年程前から熱心にゴルフを練習するようになつた。2年程前にクラブを1本貰つて数回コースを回つたことはあつたが,棒を持つて球をコロがしながらの山歩きの域を出なかつた。最近になつてやつと球が地面から離れるようになり,少しずつ面白さがわかつて来た。
碁でも,将棋でも或はマーヂャンでも,よく勝負の過程を人生の事にたとえられるが,ゴルフでもそう言う目で眺めてみると,人生の色々の出来事にコヂツケられないことはない。プロは別としてアマなら,スコアを良くしようと思えば,余り飛ばなくてもOBしないように,少しずつでも真直ぐに進んで行けばよいと言う理屈はわかつているけれど,いざ広い野原で球を打つとなると,例えOBの危険を感じても力いつぱい飛ばしたくなるのが人情であり,また偶々真心にミートしてよく飛ぶと,たとえスコアが悪くても気持がすつきりする。医局の中で,言う事をよく聞いておとなしくしていれば無難である事がよくわかつていても,いつも必ずしもそうばかりしておられないのと一脈相通ずる点がある。機械ではなく人間である所以であろう。
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