Japanese
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検査法
開放性腎生検
OPEN RENAL BIOPSY
百瀬 剛一
1
Goichi MOMOSE
1
1千葉大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, School of Medicine, Chiba University
pp.129-135
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200099
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Ⅰ.はじめに
近代腎臓病学の発達は,各種の生化学的検査法や腎機能検査法の進歩によるが,従来は剖検や手術時にのみ追究し得た腎病態を,必要とする時点において腎組織を採取し,その病態を検討し得る腎生検法の確立も一大役割を演じているものと思われる。
Iversen等(1951)が経皮的腎生検法を確立してから,各種腎疾患の診断,治療法の選択,治療効果,あるいは予後の判定,更には腎病態生理の追究等の面から,その重要性が認められ,その術式の容易さから,最近では臨床医家がroutineに行なう検査法の1つとなつている。しかしながら,本法の盲目的手技にもとづく偶発症の問題や,その適応等が論ぜられ,また,本法による腎穿刺の成功率,組織診に役立つ十分な組織片の採取,生検像に示される病像の解釈等の諸点が検討されて来た。われわれも,多くの腎疾患を取扱う泌尿器科医の立場から,しばしば経皮的腎生検法を活用して来たが,諸家が経皮的術式の問題点としてとりあげて来た諸点に,現在もなお,本法の制約,ないし限界があり,その臨床的価値を甚だしく低下させている事を認めたので,数年前に,われわれのいう,所謂開放性腎生検法を考案し,以来,主としてこの術式を慣用しているが,経皮的生検法に比べて幾多の利点のある事を認めたので,ここにその術式を紹介する。なお,本法については,最近Morales等もわれわれと類似の術式を記述した事を一言しておく。
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