特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
8 内分泌疾患
副甲状腺(上皮小体)疾患
099 原発性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症
小出 卓生
1
1大阪厚生年金病院泌尿器科
pp.283-284
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103168
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1 概念・病因
上皮小体(副甲状腺,parathyroid gland)は前頸部の甲状腺裏面に接するように存在する4個の1/3~1/4米粒大の内分泌腺であり,ここから分泌される副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)はカルシウム代謝の主役である。現在,独語訳の「上皮小体」と英語訳の「副甲状腺」という両者の語句が使われているが,本稿では英語訳の「副甲状腺」という呼称に統一する。原発性副甲状腺機能亢進症(primary hyperparathyroidism:PHPT)とは,このparathyroid gland(s)からのPTHの過剰分泌による全身性のカルシウム代謝異常疾患である。無症候性(化学型)PHPTと,尿路結石症(結石型)や骨病変(骨型)さらには消化器症状や精神症状ほかの多彩な症状(高Ca血症状とも呼ぶ)を呈する症候性PHPTがある。
病因としては,90%以上のPHPT症例が副甲状腺腺腫,5~10%前後で過形成が原因であり1,2),癌腫は稀である。
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