特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
8 内分泌疾患
副甲状腺(上皮小体)疾患
100 二次性副甲状腺(上皮小体)機能亢進症
小出 卓生
1
1大阪厚生年金病院泌尿器科
pp.285-286
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103169
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1 概念・病因
本項でも前項(99項)で断ったように,「副甲状腺」「上皮小体」の両者の呼称のうち「副甲状腺」に統一する。
末期慢性腎疾患(CKD)患者や透析患者では,VDほかカルシウム代謝関連諸因子が関与して慢性的副甲状腺ホルモン(PTH)分泌刺激状態が継続する。この結果,副甲状腺過形成が進行し,二次性副甲状腺機能亢進症(secondary hyperparathyroidism:SHPT)を引き起こす。末期CKD・透析患者では,PTHの過剰分泌にもかかわらずVD活性化障害のために腸管でのCa吸収促進が亢進することなく,骨吸収の亢進や,高P血症と相まって血管や軟部組織の異所性石灰化などを生じる。放置すれば重篤な合併症を惹起するため,多くのSHPT患者で副甲状腺亜全摘除術や副甲状腺全摘除術+部分自家移植術(本項では,両手術をPTxと総称する)が行われてきた。
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