特集 鼎談
術中トラブルの予防と対策
甲状腺・上皮小体手術
原発性上皮小体機能亢進症の手術の問題点
藤本 吉秀
1
,
三村 孝
2
,
的場 直矢
3
1東京女子医科大学内分泌センター外科
2済生会中央病院外科
3仙台市立病院外科
pp.1309-1312
発行日 1989年9月30日
Published Date 1989/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210468
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的場 それでは上皮小体の手術の方に移りたいと思います.上皮小体の手術のいろいろな合併症はほとんど甲状腺と共通していると思います.しかし,上皮小体の手術をする人は甲状腺外科の知識だけでは不十分で,上皮小体の局所解剖の知識を十分にもっている必要があります.とくに上皮小体の位置にいろいろなvariationがあること,数は必ずしも4個とは限らないことなどです.日本では旭中央病院の登先生が詳しく調べていますが,屍体でみて4腺のものは82.9%,5腺以上が9.3%もあるとのことです.上皮小体の手術で一番のトラブルは病変がどこにあるかわからないときだろうと思います.最近は超音波とか,T1-Tc subtraction scintigraphyなどで術前に占拠部位がかなりわかっておりますが,それでもなおかつわからない症例もあるようです.その場合はどういう方針でいったらよろしいでしょうか.
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