特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
6 尿路結石および結石関連疾患
結石関連疾患
081 尿細管性アシドーシス
伊藤 恭典
1
1名古屋市立西部医療センター泌尿器科
pp.235-237
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103150
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1 概念・病因
尿細管からの酸排泄低下によるアシドーシスを尿細管性アシドーシス(renal tubular acidosis:RTA)という。障害されている尿細管の部位により,遠位尿細管性アシドーシス・近位尿細管性アシドーシスに分類される1)。
遠位尿細管性アシドーシス(Ⅰ型):集合尿細管では管腔内のH+の濃度勾配に逆らってH+を分泌している。管腔膜のH+ポンプの障害によりH+分泌が障害されているか,H+分泌は正常でも尿細管細胞膜の透過性に障害があるとH+の細胞内への逆流が起き,H+の分泌障害となる。このRTA Ⅰ型が腎石灰化・尿路結石症を合併する2)。
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