交見室
腹部超音波がん検診基準としての腎腫瘍のカテゴリー分類
水関 清
1
1社会医療法人函館渡辺病院
pp.174-175
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103028
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2011年刊行の『腎癌取扱規約(以下,規約)第4版』における画像診断の項は,「Ⅰ.腫瘍の評価法」,「Ⅱ.腫瘍の質的診断」,「Ⅲ.腫瘍の病期診断」,「Ⅳ.画像診断所見の統合」,の4項目からなり,第3版までに収載されていた腹部単純X線撮影・尿路造影・血管造影を削除して,超音波検査・CT・MRI・その他という4項目に集約された。そのうえで,腫瘍の評価法としての超音波診断の位置付けが再定義されたほか,腎癌の各組織型の画像所見,Bosniak分類,良性腫瘍との鑑別が新たに盛り込まれた。
今回の規約改訂における腫瘍の評価法をまとめると,超音波は検診領域における標準検査,CTは質的診断・病期診断における標準検査,MRは造影CTのできない場合の代替検査として,それぞれ位置付けられた。超音波検査がスクリーニング法として選ばれたのは,被曝の問題がなく,簡便かつ低コストであることなど,超音波の持つ特性が評価されたためである。
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