書評
「遺伝性婦人科癌―リスク・予防・マネジメント」―Karen H. Lu 編/青木大輔 監訳
小西 郁生
1
1京都大学大学院・婦人科学産科学
pp.483
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102830
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女性固有の癌である卵巣癌,乳癌,子宮内膜癌は一定頻度で家族性発生があることが知られていたが,原因遺伝子のBRCA family遺伝子およびミスマッチ修復遺伝子が同定され,遺伝子診断の時代が到来した。この間,日本産科婦人科学会の婦人科腫瘍委員会では本書監訳の青木大輔教授らによってわが国の家族性子宮内膜癌の実態調査も行われている。
本書は,遺伝性の卵巣癌,乳癌,子宮内膜癌,そのほかの遺伝性疾患に関して,M. D. アンダーソン癌センターのKaren H. Lu教授が中心となり,現時点における最新情報を提供しているもので,この度,青木教授が中心となりその日本語訳版が刊行された。あのLynch症候群で名高いHenry T. Lynch博士も原書の序文および章の執筆を担当している。
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