特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■腎部分切除術
072 動脈を遮断しても切除予定の一部しか色調が変化しない
岩田 達也
1
,
柿崎 秀宏
1
Tatsuya Iwata
1
,
Hidehiro Kakizaki
1
1旭川医科大学腎泌尿器外科
pp.202-203
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102320
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Q 動脈を遮断して腎部分切術を開始した症例。しかし,切除予定の一部しか,腎表面の色調が変化しない。
[1]概 説
腎部分切除術の施行にあたっては,多くの場合,腎動脈を露出し,これをクランプして血流を遮断し,この間に部分切除を行うことで動脈性の出血を抑えることができる。腎動脈をクランプすると腎の色調が変化し,腎の張りが減弱することで血流の遮断を確認できるが,症例によっては,腎動脈をクランプしても色調の変化が一部にとどまることがある。
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