特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術
■後腹膜鏡下根治的腎摘除術
036 腹膜を損傷してしまい視野が狭くなった
佐藤 文憲
1
,
三股 浩光
1
Fuminori Sato
1
,
Hiromitsu Mimata
1
1大分大学医学部腎泌尿器外科学
pp.108-109
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102282
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Q 後腹膜鏡下根治的腎摘除術を開始した症例。腎周囲を剝離中に腹膜を損傷し,腹腔内に空気が入ってしまった。そのため視野が狭くなり,手術操作が困難となった。
[1]概 説
後腹膜鏡下手術は,本来,腔として存在しない腎周囲を剝離・展開することによって,十分な操作腔(後腹膜腔)を作成する必要がある。気腹により操作腔を維持するが,腹膜損傷をきたすと気腹ガスが腹腔内に入り,腹膜が術野を圧排し,十分な操作腔の維持が困難となる。通常,腹膜損傷は手術開始時,腎前面の腹膜と腹壁筋膜の付着部を剝離する際に生じることが多い。
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