特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
1 先天性疾患および小児泌尿器科疾患
精巣の先天異常
036 停留精巣
水野 健太郎
1
,
神沢 英幸
1
,
林 祐太郎
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野
pp.105-107
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103105
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1 概念・成因
停留精巣は出生時の罹患率が4.1~6.9%であるが,自然下降により3か月で1.0~1.6%になる。以降は変わらず1歳で1.0~1.7%である。低出生体重児,早期産児では成熟児,正期産児に比べて自然下降率が高い。それでも6か月までに自然下降はほぼ完了する1)。出生直後は両側性:片側性=39%:61%であるが,3か月では両側性:片側性=17%:83%となる。
本邦では2005年に日本小児泌尿器科学会が『停留精巣診療ガイドライン』を作成した2)。これは2003年までに著された停留精巣に関する臨床論文1,801編を基に作成されている。その後約10年が経過し,多くの臨床研究が報告されているが,過去のエビデンスを覆す知見はないので,現行の『ガイドライン』に従って診療をすればよいものと考える。
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