特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術
■腹腔鏡下根治的腎摘除術
033 体格が大きく腎上極に鉗子が届かない
田中 伸之
1
,
宮嶋 哲
1
Nobuyuki Tanaka
1
,
Akira Miyajima
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
pp.99-101
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102279
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Q 腹腔鏡下根治的腎摘除術を開始した症例。患者は非常に体格が大きく,腎上極に鉗子が届かない。
[1]概 説
術者は通常,臍の位置を基準に手術対象臓器の位置を推測し,操作用ポートの位置を決定しているが,臍と臓器の相対的な位置関係は個体差が大きく,特に体格の大きい場合や極度の肥満,また腫瘍の大きい症例では,操作用ポートの挿入位置を誤ると「対象臓器が視界に入らない」,「手術器具が対象臓器に届かない」などの事態が生じる。本項では標準術式である根治的腎摘除術を想定して,問題の回避・解決の2つの観点から論じる。
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