特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅰ 尿路内視鏡手術
■経尿道的尿管砕石術(TUL)
017 尿管シースで尿管を断裂させてしまった
荒川 孝
1
,
越田 竹朗
2
,
山下 英之
2
,
大東 貴志
2
Takashi Arakawa
1
,
Takeo Koshida
2
,
Hideyuki Yamashita
2
,
Takashi Ohigashi
2
1国際医療福祉大学三田病院尿路結石破砕治療センター
2国際医療福祉大学三田病院泌尿器科
pp.60-61
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102262
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Q 腎結石に対し,f-TULを開始した症例。硬性尿管鏡でU2までは観察できたが,それより上はやや抵抗がある。細径尿管シースを入れ,同部に抵抗があったが少し無理をしてU1まで挿入し,尿管シースを5cmほど引き抜き軟性尿管鏡で観察したところ,尿管の断裂が確認された。
[1]概 説
f-TULは軟性尿管鏡とHo-YAG Laserが主役と思われがちであるが,尿管シースの適切な留置こそが成功の秘訣となる。しかし外径が12~14Frほどの尿管シースを尿管に挿入するわけであるから,無理な操作による尿管の裂傷の可能性は否定できない。無理が高じれば尿管断裂するであろう。損傷とは概念が異なるが,尿管シースが挿入された尿管は圧迫のために虚血状態になるので,長時間にわたるf-TULは避けるべきであろう1,2)。
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