特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅰ 尿路内視鏡手術
■経尿道的尿管砕石術(TUL)
015 尿管を損傷してしまいガイドワイヤーが腎盂へ入らない
荒川 孝
1
,
越田 竹朗
2
,
山下 英之
2
,
大東 貴志
2
Takashi Arakawa
1
,
Takeo Koshida
2
,
Hideyuki Yamashita
2
,
Takashi Ohigashi
2
1国際医療福祉大学三田病院尿路結石破砕治療センター
2国際医療福祉大学三田病院泌尿器科
pp.54-56
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102260
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Q TULを開始した症例。途中で誤って尿管を損傷してしまった。そのためガイドワイヤーが腎盂へ入らず,尿路外へ向かってしまう。
[1]概 説
尿管鏡の細径化とsemi-rigid化,硬性・軟性を問わず視野の鮮明化により,TULの際の尿管損傷はかなり減少したとされる。2010年に発表された欧州泌尿器科学会による『Guideline on Urolithiasis』によると,U1,U2,U3それぞれの結石に対するTULでの尿管損傷の割合は,それぞれ6%(文献により3~9%),6%(同3~8%),3%(同3~4%)であった1)。しかしながら,高度な癒着を伴った尿管結石症例や,高度な水腎症の存在のために尿管に強い屈曲が存在する症例では,尿管損傷を起こす可能性が依然として残されている。
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