特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅰ 尿路内視鏡手術
■経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
007 腫瘍切除後に,それまで確認できなかった尿管口が現れた
竹下 英毅
1
,
森山 真吾
1
,
千葉 浩司
1
,
野呂 彰
1
Hideki Takeshita
1
,
Shingo Moriyama
1
,
Koji Chiba
1
,
Akira Noro
1
1さいたま赤十字病院泌尿器科
pp.31-33
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102252
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Q 左尿管口付近に存在する膀胱腫瘍に対し,TURBTを開始した症例。切除前は,尿管口は確認できなかった。しかし,切除後に切除面から左尿管口が現れた。中に腫瘍が入っているかどうかはっきりしない。
[1]概 説
尿管口付近の膀胱腫瘍をTURする際,切除前に尿管口が確認できないことがしばしばある。そのような場合は,切除をして初めて腫瘍の陰にある尿管口が現れたり,切除面に膀胱壁内尿管の断面が現れたり,壁内尿管に腫瘍がある場合には尿管の断面から腫瘍が顔をのぞかせているのが見えたりする。腫瘍切除後も尿管口の位置が確認できず,インジゴカルミンの静注で切除断端から噴き出す青色色素により,ようやく尿管口の位置が同定できるということも稀ではない。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.