特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■根治的腎摘除術
066 右腎摘除後に右下腹部の違和感を訴えている
竹下 英毅
1
,
森山 真吾
1
,
千葉 浩司
1
,
野呂 彰
1
Hideki Takeshita
1
,
Shingo Moriyama
1
,
Koji Chiba
1
,
Akira Noro
1
1さいたま赤十字病院泌尿器科
pp.187-188
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102314
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Q 腰部斜切開による根治的右腎摘除術を施行した症例。退院後,患者は外来にて右下腹部の違和感を訴えている。
[1]概 説
腰部斜切開による経後腹膜式腎摘除(経腰腎摘)は,経腹膜式腎摘除と並び,開放腎手術の標準術式である1)。第11または第12肋骨上で切開を置くことが多いと思われるが,その際,腹横筋上に第11肋間神経または第12肋間神経(肋下神経)および血管が現れることが多い(図1)。これを避けるように切開を置くのが望ましいが,認識できず誤って切断してしまったり,針糸を掛けてしまったり,手術の邪魔となり,やむを得ず切断を余儀なくされることがある。これが損傷された場合,その支配領域である下腹部の感覚障害を引き起こす。また,腹壁筋の筋緊張低下を起こして創部が膨らみ,術後のボディイメージが悪くなる。
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