特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅰ 尿路内視鏡手術
■経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
008 やむを得ず尿管口を切除したがステントを留置すべきか
志水 清紀
1
Kiyonori Shimizu
1
1市立豊中病院泌尿器科
pp.35-36
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102253
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Q TURBTを開始した膀胱癌の症例。術中にやむを得ず尿管口を切除した。この場合,ステントを留置したほうがよいか。
[1]概 説
経尿道的膀胱腫瘍切除術(以下,TURBT)には,治療としての腫瘍の完全切除という目的と病理診断のための組織採取という目的の2つがある。表在性膀胱癌(Ta,T1)に対しては両者においてその適応がある。一方,T2以上の浸潤性膀胱癌が疑われる場合は膀胱全摘除術が標準治療であるため,診断のための組織採取を目指すべきと考える。前者の表在性膀胱癌の場合,腫瘍の存在部位が尿管口付近であれば,根治を目指すために尿管口を切除しなければならない状況も起こり得る。
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