書評
「血液病レジデントマニュアル」―神田善伸 著
金倉 譲
1
1大阪大学大学院 血液・腫瘍内科学
pp.220
発行日 2010年3月20日
Published Date 2010/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101913
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血液疾患(血液の病気:血液病)は,レジデントや一般臨床医には敷居の高い領域である。日常診療に当たっている若手医師が,白血病や悪性リンパ腫などの代表的な血液病に接することが少ないのが一因であろう。また,造血器腫瘍や難治性造血器疾患などの致死的疾患は,専門医が診る特殊で難しい疾患という印象を持つレジデントも多い。確かに,血液病は,遺伝子や分子レベルでの新たな診断法が次々と開発され,治療に関しても,従来の薬物療法に加えて,分子標的療法,移植による抗腫瘍免疫療法と多彩な治療の選択肢が存在している。血液病は,常に新しい知識を習得するとともに,絶えずそのブラッシュアップが求められる領域である。しかし,実際に血液病棟で研修を行うと,血液病の基礎ならびに多くの全身性の疾患の管理が学べることに気づくことが多い。
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