書評
—神田 善伸 著—血液病レジデントマニュアル 第4版
矢野 真吾
1
1東京慈恵医科大学・腫瘍・血液内科学
pp.613
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620050613
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待望の『血液病レジデントマニュアル』最新版が刊行された.本書は血液専門医を目指す若手医師はもちろん,研修医,血液専門医,一般内科医がベットサイドで活用できるポケット版の成書である.初版の刊行以来すでに15年以上の歴史を持ち,臨床血液学の定番書と言っても過言ではない.
本書の構成は創意工夫が凝らされている.「最初に知っておきたいこと」として,血液内科医が必ず知っておかなければいけない重要事項の記載から始まる.総論では,臨床血液学の基本となる項目を明確かつ丁寧に解説している.基本は時に難解で学ぶことに労力を要するものだが,本書は適切な分量でわかりやすく解き明かしている.血液病の診断学,がん治療薬総論,抗菌薬・抗真菌薬の予防投与,妊孕性の温存,統計用語など幅広い内容をカバーし,細々たる要望にも満足に応えている.さらに,薬剤投与量の調節の項では,肝障害時や腎障害時の抗がん薬の投与量を一目瞭然に示している.この表は実臨床で活用できるので,ぜひお薦めしたい.

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